この記事は Otaku Advent Calendar 2023 12日目の記事です。
アルバムで隠しトラックの手法のひとつ、通称「マイナストラック」を仕込んだので、その紹介と作り方を書きます。
完成した音楽CDには13曲分のデータが入っています。 しかし、CDをiTunesに読み込ませてみると…
…あれ、12曲しかありませんね。 というわけで、13曲目は通常の方法では聞くことができません。
このCDの隠しトラックを取り出すには、解析ツールの「ExactAudioCopy」を使います。
https://www.exactaudiocopy.de/ ※Windows限定です。
インストール後にCDを読み込ませてみると…
何やら赤くなっていますね。 ここに隠しトラックが仕込まれています。 「Action」タブの「Copy Selected Tracks Index-Based」で隠しトラックも取り込むことができます。
01.00 Track01.wav が隠しトラック、01.01 Track01.wav が1曲目
はい、出てきました。13曲です。おめでとうございます。
なお、MacOSの場合はXLDというソフトでいけるらしいですが、手元にないので頑張ってください。
冒頭で音楽CDと呼んでいたものは、CD-DAという規格のデータが記録されたCDを指します。 CD-DAには音声データ(wav)だけでなく、曲の順序などの情報も記録されています。 例えば、先ほどのアルバムの1曲目は以下のようなデータになっています。
FILE "a01_01_mixHt_v2.wav" WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 00 00:00:00
INDEX 01 03:59:00
意訳: wavファイルの3分59秒からトラック1が始まります
なるほど…ってあれ、じゃあトラック1より前の約4分のデータは?! そう、ここに1曲分のデータ入っていたんですね。 再生開始位置より前の部分を「プリギャップ」と呼び、この手法で1曲目より前に仕込まれた隠しトラックを「マイナストラック」と呼びます。
ちなみに、この手法で作ったマスターCDをプレス屋さんに送るとマイナストラックは消えます。 結果、僕のアルバムは全て手焼きすることになりました。